胃アニサキス症ってご存知ですか?
先日『前の晩にお刺身食べた後から胃がイターーーい!』という患者さんがいらっしゃいました。お刺身はさば、イカ等を食べたとのこと。
ここでピンときて、さっそく胃の内視鏡検査をさせて頂きました。
胃の中、一見きれいで何もなさそうですが、よーく診ると、いました!アニサキス幼虫です!白い線のようなものですが、胃の壁に食いついている動いています。
アニサキスはさばやイカ、サケ、ニシン、イワシなどに幼虫として寄生しています。
これらの魚介類を生で食べた際にヒトの胃や腸壁に侵入して腹痛や嘔吐、じんましんなどの症状が起こります。加熱調理や冷凍処理では死滅するので、『活きのいいネタ』にいることが多いのです。アニサキス症の発症は虫体の消化管刺入に伴う即時型アレルギーが関与していると考えられており、繰り返し発症する方がいらっしゃいますのでご注意ください。
治療は胃の壁に食いついているアニサキスを鉗子で取り除くことで症状が治まります。
まれに胃を通り越して小腸や消化管を穿通し消化管以外の臓器に迷入し、さまざまな症状を起こすこともありますが、頻度は胃が一番高いです。
上の写真は胃の壁に食いついているアニサキスで、この時点ではまだよく動いていました。下の写真は取り出してホルマリンに漬けたものなのですでに死んでいます。
『活きのいいネタ』にはご注意くださいね。